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ウエブ歌集  スイーツ&   

題詠blog2008への投稿歌を、 4つの物語に仕立てました。


  
#1

こんなところに穴があいてしまってていもうとの耳ダイヤで埋める

透明の分別袋に入れるときテディベアは沈黙をする

理由だけ知りたかったの少女らは陰毛うすく風になびかせ

すり減ったところに雨はたまりたい子犬は肉球ふれあってたい

春の熊わたしがねむっているすきに角砂糖ひとつ略奪されたし

めをあけて児童公園でねむってるとりわけパンダいい夢をみて

さよならねさあさしっぽをふりましょうきみのしっぽはまだらなんだね

お囃子のとおくきこゆる約束は帽子の前髪ばかり気にして



#2

くわえろと言うけどだるいメンタルと名古屋巻きってくずれやすいし

手袋を裏返し脱ぐ君はもう研究だけですまぬ眼をして

目の前のフレンチフライポテトLサイズの渇き喩えるならば

いくらでも冷たくなれる真夜中にFAX用紙はカールして出る

キヨスクがシャッター下ろす取り返しつかないものがこぼれはじめる

この街の空気はうすくさみしくてこぶしで胸をたたけば合図

月光に噛まれぬように背(せな)ひらく再設定に慣れてぼくらは

横縞がふやけているよあなたって湧きだす水をこぼして眠る

ひとりにつきふたりの天使がいるらしくひとりはあたしひとりはあたし

放たれてショートカットにしたように首のうしろがほろほろします

錯覚と奇跡は似てたグリーンのストロー噛んでわたしきえます

あきらめたものをやさしくするためにわたしがなくした傘を集めて



#3

分けるならやさしい人とできる人千の額におはようが降る

美しき営業女子はうがいする無防備にのど反りてまひるま

すべてすべてよくなるはずの校了のデスクで腹式呼吸をすれば

アンチフレンチフライポテトの彼は来ずかわりに嵐やって来たりぬ

SVOのVを両手であたためつ伏線として耳たぶふくむ

ゆふぐれの点灯のころともるもの 星はきらい冥王星は除いて

水はもう忘れたように凪いでいる心臓のうえ冷えたメダルを

ただ日本に生まれたことを罪として当たる確率はみんなおんなじ



#4

春雨は透明となりまぶしかり春には春の葱を降らせる

粘りつく潮風に町錆び落ちてはづんだ電話多くなる父

おめでとうをなんども言った帰り道抱きしめそうで子供を避ける

焼豚の白き凧糸にたれの染む決まって五月に会いたがる父

雨上がり紫陽花はふと痙攣す せんせいの手にほら@かたつむり

踊るよう8の字を描きほどきゆく紐つき封筒しずかな瞳で   

少年からうけとる手ふれた瞬間に存在軽くするふらんす紅茶

銀色にノイラートの船沈みゆきライ麦パンに蜂蜜の染む

水辺にて大きく傾ぐ彼をみる遠浅ゆえにあまくて危険

奔放にふくらむシフォン笛でよべ笛を吹いたら玉もまわりぬ

伏せられし彼のマグにも夏がくる籍の話はもうしたくない

春樹ふう名前のひとは遅れ来てピーンボールの球はすべりぬ 

くちびるの血のぬくもりをわけあってその胸筋もパジャマも理系

のぼるとき冷えゆく叡山電車なり宿のスリッパうつろうつろに

昨夏のプールの券をあまらせてまた生い立ちにさみしくふれる

そのことを考えぬようしていますもう複製ができるくらいに

愛いいえ愛いいえ愛うるう年のあずきアイスのひとさじの訴

翌日の地下鉄鶴見緑地線は心音を深みどりに沈めた




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[ 2008/07/21 00:25 ] 題詠blog2008 | TB(0) | CM(6)
プロフィール

松下知永(まつしたちえ)

Author:松下知永(まつしたちえ)
題詠blog2008のためのブログ。
短歌とケータイ写真も。
ごらんいただいてありがとうございます。

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「題詠」とは、お題に即して短歌を詠むことです。

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